ストライカーズの休暇日


 とある日の夕方。今日の日の分の講習を終えたなのはが、新人フォワード4人に告げた。
「それじゃあ、今日の訓練はおしまい。それと、明日の訓練はお休みね。
 最近は毎日休みなしで訓練してるし、たまには一日ゆっくりと休養を取らなきゃ」
「「「「はいっ」」」」
「あ、それとティア、スバル?」
「はい、なんですか?」
「毎日自主連するものいいけど、今日の夜と明日一日はそれも禁止ね。
 しっかりと休養を取って、魔力も体力も最高の状態にすること。いいね?」
「……はい、わかりました」
 しぶしぶ、と言った表情でティアは答えた。
「心配しなくても大丈夫だよ、ティア。それに、明後日から新しいステップに進む
 予定だから、今よりもきっとへとへとになっちゃってそんな元気もなくなっちゃうかもね」
 なのはは、そういい残して先に隊舎の方へと戻っていった。
「新しいステップか〜。どんなことするんだろうね? ティア」
「さあね、わかんないわよ。でも、自主連も控えるようにってことは、よっぽどの
 ことでもするんじゃない?」
「だろうね〜。う〜、楽しみだなぁ」
 ティアとスバルは、そんないつものやりとりをしながらなのはと同じく隊舎へと向かった。
 エリオも何か考え事をしているようで、無言でその後に付いて来ている。
「お休み……か」
 その場に一人残っていたキャロは、誰にも聞こえないほどの小さな声で呟いた。
 その表情には、不安や戸惑いと言ったものが見え隠れしているように見える。
「あれ? キャロ? どうしたの」
 一緒に来ていなかったキャロに気付いたエリオが、キャロの方に振り向いて問い掛けた。
 もちろん、キャロの独り言や表情の端にある微妙な陰りに気づいた様子は無い。
「え!? あ、ううん、別になんでもないよ」
 エリオの問いに我に返ったキャロが、小走りにエリオに駆け寄り、スターズの二人と
同じように隊舎へと戻っていった。その表情に先程までの憂いはもう見つけることは出来なかった。


 約一時間後。食堂にて、新人フォワード4人の話題は急に訪れた明日の休日を
どう過ごすか、ということで持ちきりになっていた。
「ティア〜。明日一緒に街に出かけようよ〜。久しぶりにウィンドウショッピング
 しながらおいしいもの食べてさ〜」
 テーブルの上に山のように乗っているスパゲティ・カルボナーラを頬張りながら、
スバルは隣に座っているティアナに話し掛けた。
「またあんたとなのね……って言っても他にあてが有るわけじゃないんだけど…」
 ティアナは、いつも通りのスバルの食欲に少しうんざりしながらも、スバルの提案に
しぶしぶと了承したようだった。
 そのやり取りを少し羨ましそうに眺めていたキャロは、先ほどの練習場の時と同じような
表情となっていた。そして、恐る恐るとエリオに話しかけた。
「あの……エリオくん? わ、わたしたちも街に行ってみない?」
「そうだね。フェイトさん達は明日も仕事みたいだし、僕たち二人で出かけようか?」
「そ、そうだね! そうしよう!」
 キャロの目がキラキラと輝き始め、こぼれんばかりの笑顔になった。
「………へぇ」
 その一連のキャロの行動を見つめいていたティアは、何か思うところがあるのか、
にやり、と口だけで含み笑いをした。
「いやぁ、それにしても二人共仲良くなったねぇ」
 スパゲティの山を半分ほど食べたスバルが、キャロとエリオを見てそう呟いた。
「やっぱり歳が近いってのもあるのかな?」
「それもあるんですけど、もともとが二人共今まで一人きりでしたから、やっぱり
 共感できる部分とか多いですね」
 エリオは冷静にそう答えた。
「ふーん、そうなんだ」
 スバルはそれで納得したようだったが、キャロは少し浮かない顔をしていた。
ティアナはその変化も気づいていたが、声をかけることはしなかった。
「キャロ? どうしたの? 急に黙っちゃって?」
「!? い、いえ! 何でもないです!」
「そう? だったらいいんだけどさ……ごちそうさまっと」
 キャロの一連の表情から読み取れる心情に気づけなかったスバルは、何となく腑に
落ちないようだったが、取り合えず納得する事にした。それと同じく、スバルは
山のようなスパゲティを完食していた。
「あ、あの!」
「どしたの? キャロ?」
「シャワーのあと、お二人の部屋に伺ってもいいですか?」
「そんなに畏まんなくっても来てもいいよ。何なら一緒にシャワーいこっか」
「じゃあ僕はもう部屋に戻ってます」
「そだね。これからは女の子だけの時間だかんね」
 スバルははにかみながらエリオに答えた。そのスバルの返答にキャロの顔はおろか
耳の先まで真っ赤に染まっていたが、やはりスバルはその変化に気づいてはいなかった。
 

「それで、わたしたちに相談ってなに?」
 部屋に戻ったスバルたちは、早速キャロに聞いてみた。
「あの、エリオくんのことなんですけど……」
 キャロは俯いたまま、ぼそぼそと小声で話し始めた。
「わたしたち、初めて顔を会わせた時からもう結構になるんですけど、何だか全然
 エリオくんのことがわからなくて」
 キャロは顔だけではなく、耳まで真っ赤に染めながらも話を続けた。
「魔法がどうとか、性格がどうとかって言うのは、見ての通りだと思うんですけど……」
 そこまで話すと、キャロは言葉に詰まったのか、それとも言葉にならないのかその場に
しゃがみ込んでしまった。
「キャロ……」
 スバルはキャロの頭を撫でつつ、さっきの言葉を頭の中に反芻させていた。
「なんだ、そんなことか」
「ティア?」
 一方、ティアナは何でもないようなことのように言葉を続ける。
「キャロ、あんた最近エリオのこと頭から離れないんでしょ?」
「え!? は、はい…。夜眠る時とか、よくエリオくんが浮かんできますけど」
「ティア?」
「やっぱり。それは『恋』よ」
「『恋』、ですか…」
 キャロはいまいちピンと来ていないようだ。それでも、意味くらいは知っている様子ではある。
「でも、エリオくんはどっちかと言うとおにいちゃんって感じだとは思います」
「そんなの、好意をもってる事に変わりないわよ」
「そうなのかな……」
 そう言うと、キャロは考え込んでしまった。その間に、スバルはティアナに
小声で相談を始めた。
「ねえ、ティア。じゃあアレをやってあげればいいんじゃない?」
「アレって、あの術? それはパス。そういう事はぶっつけでした方がいいに
 決まってるわよ」
「でもでも、口だけで説明するのって難しくない? それに、丁度今日は自主連しない
 から魔力も体力もまだ全然残ってるし。アレくらいだったら自主連に入んないよ、きっと」
「そう言って、あんた。最近アレ使ってないから、久しぶりにしたいだけなんでしょ。
 ったく、しょうがないわね。今回だけだからね」
「さっすが、ティア! 頼りになるー」
「たーだーし! キャロに無理させないこと。判ってるわよね?」
「もちろん!」
「あとひとつ。明日の食事代は全部出す。以上」
「……何かずるい気がするけど、まあいいや」
「じゃあ、行くわよ―――」
 ティアは自分の相棒、クロスミラージュを手に取り、神経を集中させ始めた。
「クロスミラージュ、こんな事であれなんだけど、力を貸して―――」
『Year!』
「あれ? ティアナさん、どうしたんですか? クロスミラージュを用意して」
「あ、キャロ。ちょっと待っててね。すぐ終わるから」
 キャロがティアナの状況に気付き、話し掛けようとしたが、スバルがそれをやんわりと
防いだ。それとほぼ同時にティアナが詠唱を始めた。
(…詠唱魔法? でも、一体何の?)
 キャロは、ティアナの詠唱を聞き取ろうとした。だが、ティアナの詠唱が進むにつれ、
キャロに強烈な睡魔が襲い始めた。
(こんな時に、眠っ…ちゃ、ダメ……なのに………)
 急に襲ってくる眠気に負けないように、キャロは横目で、スバルの方を見た。
この急激な眠気はきっとティアナの魔法に違いない、ならスバルはどうしているのかが
気になったのだった。
 しかし、スバルはその睡魔に全く抵抗していなかったようで、ものすごく気持ち
よさそうな顔で眠っていた。それを見たキャロは、気が緩んでしまったのだろう。
一瞬で深い眠りに落ちていくことになってしまった。


「あ、あれ!? わたし……?」
 キャロは、今の自分の状況を確認した。
 さっきまでと同じく、スバルとティアナの部屋の真ん中に座り込んでいる。結局先程の
ティアナの魔法により、少し眠ってしまっていたようだった。
「あ、キャロ起きた?」
 スバルがキャロに話し掛けた。さっきまでと違いスバルはキャロの後ろ、スバル自身の
デスクに座っていた。部屋を見回したときには丁度死角になっていたようで、キャロは
スバルに気付けなかったのだった。
「すみません、スバルさん! わたしから相談に来ながら勝手に眠ってしま……って!?」
 キャロはスバルの方に振り返りながらあやまりの言葉を告げていたが、最後まで
言い切ることが出来なかった。スバルの格好を見て、謝罪の言葉よりも驚きの方が
上回ってしまったからであった。
「す、スバルさん!? どうして、そんな格好してるんですか?!」
「気にしなーい、て言うかわたしだけじゃないんだけどね」
 そう言って、スバルはベッドの方に目を向けた。それにつられるようにキャロはそちら
を向く。そこには、スバルと同じく、下着姿のティアナが立っていた。
「じゃあ、キャロ。あんまり長引かせてもしょうがないんで、単刀直入に言うね。
 相手の事をもっと深く知るには、やっぱり裸の付き合いでしょ、って言うのが、
 わたしの答え」
 スバルは、いつもよりも明るい笑顔でそう言った。
「裸の付き合い……」
 キャロはその言葉だけで、耳まで赤く染まってしまう。
「そこで、私の出番ってわけ」
 ティアナがスバルの言葉を続ける。
「いきなり、そんなことしろって言われても、よくわかんないだろうし。と言う事で、
 ちょっと予行練習でもしようか。っていうところかな」
 さらにスバルが続けた。
「……はあ」
 キャロは、急な展開にすこし頭が着いていっていないようで、生返事しかできなかった。
そんな状態でも、先程のティアナの詠唱は一体なんだったのか、という疑問は浮かんできた。
 それをティアナに問うために、ティアナの方に向き直った時、その姿に何か違和感を覚えた。
「……?」
 一体、何がおかしいんだろう。キャロはその原因を必死に探した。
 下着姿で仁王立ちしているティアナだが、格好が下着と言う以外には変なところは
見受けられない。頭の上からつま先まで。じっくり見ても別にいつもと変わらない。
 いや、ひとつだけ。両足の付け根、いわゆる股間のあたりがいつもと比べ物に
ならない程にふくらんでいる様に見える。
「え……? ティアナさん、それって……」
 何度見直しても、そのふくらみは確かにソコにある。どうみてもキャロの見間違いではないようだ。
「あ、もう気付いた? 実はね……こういうことなんだよ」
 ティアに話し掛けていたつもりだったが、スバルがその問いに答えた。キャロがスバル
の方に向き直ったその時、スバルは自らのショーツを足首までずり下ろした。
「……きゃっ!?」
 そのスバルの股間にいつもは見慣れない、あるモノがついていることにキャロは気付き、
小さな悲鳴をあげてしまった。
 ソコには、いまだにキャロが見たことの無い、男性器が鎮座していた。
「つまりね、キャロ。こういうことな訳」
 ティアが少し申し訳無さそうに続ける。
 キャロが話を聞こうとティアの方を向く。すでに、ティアも自らのショーツは脱ぎ去っていた。
「さっきの魔法はね、単なる催眠術の一種。今、私達三人は同じ『夢』を見ているの。
 まあ、ただ寝かしつけて夢を見させるだけじゃなく、幻術の応用で夢の内容まで私が
 自由に決められるようにしてるけど」
 ティアの説明の間中、キャロの視線はずっとその股間から外れない。恐怖よりも興味
の方が上回っているようだ。
「そこで! あたしがティアに頼んでたまにこんな格好で遊ぶようにしてるんだよ」
 スバルがその後を続ける。
「現実でなら無理な事でもさ、ここでなら何だって出来る。女の子同士なら普通無理な
 こんな行為だって」
「あんたねえ……簡単に言わないでよ? 結構コレの制御疲れるんだからね。
 魔力も結構使うんだし」
「まあまあ、そんな事言わないでよ、ティア〜。そんな事言って、最後は
 いつもノリノリの癖にー」
「う、うるさいわね!」
「ティアのつんでれ〜」
 いつもの二人のやりとりが始まる頃には、キャロの意識は少しずつ平常のそれに戻って
きていた。そして、一つの疑問が浮かんできたのだった。
「あの、スバルさん。今のお話を伺っていて少しわからないんですけれど」
「どしたの? キャロ?」
「いえ、ティアさんの魔法はすばらしいのですけど、この状況とエリオくんと何の関係が……?」
「あ〜、ちょっと説明し辛いんだけど……この馬鹿はね、とりあえず予行練習しよう
 って言ってるの」
「予行練習、ですか?」
 ティアは少しバツが悪そうに話し始める。
「キャロ、あんた明日エリオと出かけるんでしょ?」
「はい、そうしようと思ってますけど」
「だったら、その帰りでもエリオと一線超えちゃえ! ってどうかな?」
 スバルが少しおどけながらそう言った。
「ええ!? ―――って、一線ってどこの線ですか?」
「って言ってもやっぱりまだ分かんないか。つまりね、二人で気持ちいいことしちゃおう
 ってこと。そうすれば、普段普通に生活しているだけじゃ見えてこない、色々な事が
 分かる事が多いから」
「気持ちいいこと、ですか」
「そ、気持ちいいこと♪」
 そう言って、スバルはキャロの後ろから抱きしめた。
「きゃっ!?」
 キャロは突然のスバルの行為に驚きはしたが、拒否はしなかった。
 それをヨシとしたスバルは、両手をキャロの前にまわし、彼女の小さな胸をさわさわ
と撫で始めた。
「キャロの肌、すべすべで気持ちいーなぁ」
「スバルさん、くっ、くすぐったいです」
 あまりふくらみのないキャロの胸だが、女子独特の柔らかさがあり、
他の部位との違いを主張していた。
 スバルは、込める力が強くなりすぎないように丁寧にキャロの胸を刺激し続けた。
そうする事数分。その先端にある突起物が小さいながらも自己主張を始めるのをスバルは
見逃さない。スバルは胸全体を責める事を止めずに、右手だけを徐々にその先端を擦る
ように動かし始めた。右掌がキャロの乳首の先端に触れるたび、キャロが小さな喘ぎを
あげて始めている事をスバルは聞き逃さなかった。
 両手の行為を止めずに、キャロの左肩に顎をのせ、その小さな左耳に囁きかけるスバル。
「キャロ……こうされるの、気持ちいいでしょ」
「ふっ、ぅぅ……な、何だかくすぐったくて、頭がぼーっとなってきました」
 そう言ったキャロの目はどこか虚空の方を向いていて、胸から絶えず送られてくる
甘美な刺激に集中しているようだ。
「でしょう? こっちの方はどうなってるのかな?」
 スバルは、左手をキャロの下腹部へと下げていく。そして、彼女のショーツの中へと
潜り込ませた。もちろん、キャロの股間はスバルやティアとは違い平常時のそれと
何ら変わりはない。
「あはっ、キャロ。すごい濡れてるの、わかる? もうビショビショだよ」
「きゃうっ!」
 今までの刺激とは違う、まるで身体の芯に電気でも流されたかのような直接的な刺激。
 尚且つ、永続的に送られてくる胸からの淡い刺激に一瞬キャロは意識を失いかけたが、
スバルの左手の動きによって、それすらも許されない。
「女の子はね、このワレメの周辺、人によって場所は違うみたいだけど、この上辺りかな。
ここがとっても気持ちよくなれる場所なんだよ」
 スバルは囁くようにキャロに告げる。もちろん、その間もずっとキャロの股間への
刺激は続けている。もちろん、初めての刺激のために当のキャロにその言葉を聞く
余裕なんてあるはずが無い。
「だ、ダメです! すば、スバル、さ、くふぅ! おかしくっ、なっちゃ、いますっ!」
「キャロ、そのままでいいよ。とりあえず、全部あたしに任せて、ほら」
 キャロの訴えを無視して、いや、むしろその願いとは逆に両手の動きを速く、
激しいものに変えていく。キャロが初めての絶頂を体験するのは、そのほんの少し後のことだった。


「はぁっ、はぁっ……」
 キャロが一生懸命に息を整えている横でスバルははにかんだ。
「キャロ、それが『イく』ってこと。ね? 気持ちいいでしょ?」
「はぁっ……ふぅ、頭が真っ白になって、ぼーってします」
 毎日行っている訓練のおかげだろう、すぐに息を整え終えたキャロは、つい先程前の
自分の状況を性格にスバルに伝えた。
「ま、いきなりじゃ分かりにくいかな。じゃあ、次ね」
「次、ですか?」
 キャロは、今の刺激が全てではなかった事に内心衝撃を隠せなかった。だが、
その事実は、キャロに恐怖と言う感情は全く与えず、むしろ、好奇心を残す結果となった。
「そう、ティアもずっと待ってるしね」
 自分のことばかりですっかり忘れていた。キャロは、はっとなり、先程までティアが
立っていた場所の方へ振り返る。
「ふぁ、あっ、あんっ!」
「てぃ、ティアさん?」
 そこには、ティアが自らの股間にそそり立っている、通常ではありえないはずの
男性器を一所懸命に擦っている姿があった。
「あちゃあ、ティア、我慢できなくなっちゃったんだ」
 二人がティアの事をじっと見つめているが、ティアは全然その視線に気付かず、
一心不乱に秘所の肉棒を擦りあげている。
「ね、キャロ。次は、ティアを気持ちよくしてあげよっか」
「は、はい……」
 キャロはおずおずとティアの近くに擦り寄り、まじまじとその股間を見つめる。
 今までに見たことの無いその部位は、ティアの行為により先端より先走り汁が滴り落ち、
まるで別の生き物のようにそびえ立っている様に見える。
 だが、その部位を初めて見た感想は怖いとか言うものではなく、一体どんなもの
なんだろうという好奇心のみだった。
「じゃあ、キャロ。先っぽの部分をゆっくり舐めてみて」
「は、はい……あむ、ん、っちゅ」
「ひゃっ!? キャ、キャロ? は、んんっ!」
 完全に自慰に没頭していたティアは、キャロがその肉棒に触れるまで気付いていなかった。
 突然の第3者からの刺激に、ティアの内の欲望が膨れ上がっていくのを感じていた。
「キャロ、その感じで段々と奥まで飲み込むように咥えるの。そうしたら、その人が
 一番感じる場所が分かってくるよ」
「は、はい……あむっ、ちゅっ、ちゅぱぁ」
「あ、や、だあ、そんな奥までぇ」
 キャロはコツを掴んだのか、さらにスムーズに上下運動を続ける。
 初めは亀頭の周りを舐める程度だった行為だが、徐々に竿全体へと舐める場所を
移していった。更には、亀頭全体を口に頬張り、その中身を全て吸い上げるような
動きへと変わる。
「あ、もっもう駄目、イクっ、イっちゃう! あ、ああ……」
「んんっ! んくっ、んんっ、くっ、ぷはぁっ、はぁ、はぁ……」
 その直後、ティアは全身を仰け反らせ、肉棒から白濁液を吐き出した。
 急なことで、キャロは口を離すことが出来ず、その殆どを飲み干す結果となってしまった。
「キャロ、今飲んだのがね、精液って言うものなの。男の人が気持ち良くなったときにそ
 こから出るものなんだよ」
「せいえき、ですか……」
 精液を初めて口にしたキャロは、その不思議な感触と独特な味に少し戸惑っていた。
「初めてだと、全然おいしくないかな?」
「いえ、何だか不思議な味がします。それと、何だか体の奥がジンジンとするような……」
「そう、良かった。その感じだとすぐに慣れるかな。じゃあ、次はあたしの番だね」
 そう言うスバルの股間は、誰も触れていないのに重力に逆らうように天へ向かって
そびえ立っており、その先は半透明な液体でぬるぬるとし、ティアナとは違う迫力を
感じさせていた。
「ちょっとキャロは休憩しててね。さて、行くよーティア」
「ちょ、スバル! ちょっとは休憩させ、ああっ!」」
 スバルは、ティアナの制止を無視して、自分のイチモツをティアナの股間に合わせる。
 キャロには全く気づかなかったのだが、よくよく見てみると、そそり立つ肉棒の
裏側に自分と同じスリットがひっそりと隠れているのに気づいた。どうやらスバルは
その場所を狙っているようである。
「準備はばっちりだし、さて行くよ、ティアー」
 まるで、何処かへ出かけるかの様な気軽さで話すスバルだが、ティアナには
そんな余裕は全くない。
「バカスバル! やっ、こ、らぁ!」
 もはや、何の抵抗にもなっていないがティアナは精一杯の抵抗を見せた。だが、
スバルは全く気にもせずティアナの膣内へ向かって挿入を開始した。
「んっ、ティアの中、あったかくて柔らかいのに、とってもキツイよ」
「くぅぅっ、お、おっきい……ま、まだ入ってくるの!?」
 スバルはゆっくりとゆっくりと自らの肉棒をティアナの中へと沈めていく。
 ぐちゅぐちゅ、と激しい水音を発しながら。
「うわぁ……あんな大きいのが全部入っちゃうの……?」
 キャロは興味津々と言った様子で二人の結合部から目が放せない。
(それに、何だかお腹の中がジンジンする……?)
 知らず知らずの内にキャロは右手を自らの下腹部へと伸ばし、先ほどスバルに
されたことと同じ場所を全く同じ様に弄り始めていた。
「あっ、なんだろ、この感じ……」
 先程スバルに触られたのとはまた違い、その時の刺激よりも微弱なものだった。
そんな弱い刺激程度では今のキャロには我慢できそうにはなかった。
 それでも、自らの秘所を触らないよりはマシで、二人の結合部をまじまじと
見ながらもやはり右手は止まる事は無かった。
「んふふ、ティア、動くね」
「あんっ! ちょ、も、もっとゆっくりぃ、ひぃぅっ!」
 キャロが自分でも気付かないところで葛藤を繰り返している間にも、
スバルのストロークが開始された。
 相手を気遣うかのようにゆっくりと抽出を繰り返していたのは始めの内だけで、
すぐに激しい動きに変わっていく。スバルが腰を動かし、その肉棒が出入りする度に
ティアの中から大量の愛液が飛び出し、激しい水音がこの狭い部屋の中に響いていた。
「あっ、んっ、はん、お、おっきいの……スバルの……奥、までぇ、届いちゃうぅぅ」
「ティア、ティア、止まらない、腰が止められないよ」
 その二人の真横でキャロは自分の右手で劣情と興奮を沈めようとしている最中だ。
 だが、段々と激しくなっていく目の前の二人の情事に自分の高揚が抑えられなく
なってしまい、スバルとティアナが結合しているその真上、二人の下腹部に狭く
挟まれ身動きが取れないティアナの肉棒が目に入ったのが最後。キャロは無意識に
その肉棒へと舌を伸ばし始めたのだった。
「ひぐぅっ!? キャ、キャロ!? ちょっ、だっ!!」
 中と外。自らの弱いところを確実に突いてくるスバルの剛直。たどたどしいが、
その弱さが逆に絶妙な刺激となっているキャロの口内。その、普段なら相容れることの
ない、二つの甘美な刺激にティアナの精神は耐えられるはずも無く―――
「あぁ、だめっ、またいくっ、いっちゃう! んくぅ、ふわっ、ああぁ!」
 ティアナは中と外同時に、二度目の絶頂を迎えたのだった。
「はあっ、はあっ、はあっ……」
「もうっ、ティア〜、逝くの早いよー。わたし、もうちょっとなのに」
 ぶぅっと、頬を膨らませるスバル。ピストン運動はもう行っていないが、
その剛直は未だティアナの中に埋まったままである。
「んくっ、んっ、ぷはっ……ほうっ」
 キャロは再度口内に発射されたティアナの白濁液を全て飲み干していた。先ほど
感じていた不思議な味に不快さは全く無かったが、自らの内部にティアナの欲望が
溜まって行くような感覚を感じていた。
 スバルは今の一連のキャロの行為を見て、さらにその白濁液を飲み込んだ後のキャロの
表情に唖然となった。その恍惚とした表情は、見た者に彼女の魅力を余さず伝え、
さらには実際の年齢以上の妖艶さを醸し出している。
「キャ、キャロ? 大丈夫?」
 爆発寸前の自分の下腹部のことを忘れ、スバルはキャロに語りかける。
「はい……でも、何だか、ここがとっても寂しいんです」
 キャロがそういって指した場所は、もちろん自らの股間だった。
 スバルの位置からはあまりよく見えないが、きっとそこはキャロ自らの愛液により、
もうかなりの水気を帯びていることは容易に予想できた。。
「さっきから自分の手で触ってたんですけど、何だかしっくり来なくて……」
 そう言ったキャロの表情は、辛そうだが、それよりもスバルのことを誘っている
ようだ、とスバルは感じた。
「あの、それ、わたしの中にも入れてもらえませんか?」
「キャロ……いいの?」
 スバルは、念のためキャロに確認を取る。
 こんな状況にしたのは自分達なのだが、何だか申し訳ない気分で一杯になっているのだった。
「……もちろんです。というよりも、何だかわたし自身もう我慢できなく
 なっちゃいそうで……」
「キャロ……」
 もう何を言っても無駄なのだろう。このまま放って置いてもティアナの魔法の効果が
切れ、全員目を覚ますことになるのだが、それを待つ前にキャロが発狂してしまう
かもしれない。それに、このままキャロと行為をしたといって、現実のキャロには全く
何の影響も無い。あるのは精神的快楽だけだろう、とスバルは判断した。
 とはいうものの、スバル自身がもうすでに限界に近い状態だったし、ティアナは
しばらく動けそうにない。むしろまだ魔法をキープできているのが奇跡、と言った状態だ。
ここまでして最後は自分の手で治めるのも何だか癪な気がするし、というのがスバルの
本当の心情だろうか。
「じゃあ、ちょっとそっちよって、足開いて」
「こう、ですか?」
 キャロはティアナの姿を見習い、両足を広げたまま仰向けに寝そべった。
実際に自分でしてみると、思ったよりも恥ずかしい格好だと感じた。
「うん、そう。準備は……これならばっちりかな」
 キャロの秘部は、スバルの思っていたとおり水気がたっぷりで、前準備は
全く必要になさそうだ。
「それじゃあ、いくよ……力を抜いて」
「は、はいっ……んっ、くっ、ああっ!」
 いくらティアナの魔法の中の出来事で、痛みを緩和できるからと言っても元々の
二人の対格差は歴然で、ティアナですらやっと収まるほどの大きさを誇るスバルの
剛直は、キャロの小さな身体にはやはり大きすぎるものだった。
 キャロの小さな膣口に半ば無理矢理のようにスバルの剛直が滑り込んでいく。
今のように大量の愛液で濡れていなかったら、もしかすれば膣口に裂傷がついていた
かもしれない。それでも、スバルの肉棒の半分程度を受け入れたキャロの表情は恍惚
としており、先程の妖艶な雰囲気も未だ残されたままだ。
「う、わ……キッツー……やっぱり無茶だったかも。キャロ、痛くない?」
「は、はい。痛くは、無いんで、すけど……」
 息も絶え絶えでキャロはそう答える。実際、キャロの表情を見る限り激痛で息が
上がっているようでは無さそうだ。スバルはそう判断し、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
「うわっ、狭くて、もの凄く締め付けられる! んっ、キャロごめん。止められそうに無い!」
「あっ、ぁっ、んんっ!」
 声にならない声をあげるキャロ、だがやはりその声の中に痛覚はなく、
快感のみを感じているようだった。
「くっ、キャ、キャロっ!」
 一方スバルにも余裕は全く無かった。あまりにも狭いキャロの膣内の締め付けに
よるところも多分にはあるのだが、先ほどまでのティアナとの行為のすぐ後のことだ。
性感はすでに最高潮まで高まっていた。もういつその欲望を破裂させてもおかしく
ない状態だった。
「スバ、ルさん! また……また来ちゃい、ます…!」
「わたしも、もうダメ! キャロ! ごめんっ……」
 スバルがその言葉を発したすぐに、今まで溜め込んできた白い欲望をキャロの
膣内へと解き放ってしまった。誰もその部分を直視する者が居ない為、またスバル自身
も気づいてはいないが、彼女の女性の部分からも粘着性の液体が放出されていた。
「っ!……っ!! はあっ、はぁっ……おなかが……温かいです…」
 彼女の全てを体内で受け止めると同時に、キャロは声を上げることも出来ずに
絶頂へと達していた。
 最大時よりも一回り以上小さくなった肉棒を引き抜いたスバルは、今まで入っていた
キャロの膣へと目を向けた。小さなその女性器は、肉棒を引き抜いた今でも口を開いた
まま閉じようとしていなかった。さらに、その口内から白い液体が垂れ出して
来ているのを見て、彼女を犯してしまったと言う罪悪感をスバルは感じ取ってしまった。
「気に、しないでください。わたし、皆さんと一つになれて嬉しいです」
「キャロ……」
 キャロは、息を整えながらもスバルに声を掛け続ける。
「それに、これは夢の世界なんですよね? 少し勿体無い気がしますけど、
 目が覚めたらいつものわたし達なんですし」
「それはそうなんだけどね」
 キャロとスバルは、顔を見合わせてはにかみあった。スバルの顔に先ほどまでの
後悔の表情は浮かんでいない。キャロの方も、年齢相応の顔に戻りつつあった。
「少し、疲れちゃいました。このまま眠っちゃいそうです」
 キャロは、そう言って目を瞑った。スバルは、キャロの頭をなでつつ、静かに声を掛ける。
「うん、そのままゆっくり眠って良いよ。無理させちゃってゴメンね」
「いえ……そんなこと、ないです…」
 その言葉と一緒にキャロの意識は途切れていった。


 翌々日。訓練前の朝食時に新人フォワード4人が昨日の休日について話しあっていた。
「ったく、バカスバルの所為で結局一日ぐったりしていて休んだ気にならなかったわ」
「ごめんってば、ティア〜。それと、キャロ? そっちはどうだったの?」
「二人で街の方へ買い物を行って来ました。ね? エリオくん?」
「はい! 何だか新鮮で楽しかったです」
「えと、それだけ?」
 スバルは、何だか拍子抜けしたようにキャロへと聞き返すが、キャロははい、と肯定
の返事をするだけだった。
「あはは……やっぱりまだ早かったみたいだね……」
「すーばーるー? あんたってば!!」
「あー! 怒んないでよティアー。そっちだってノリノリだったじゃん!」
「そ、それじゃあ僕達は先に行ってますね」
 ティアナとスバルの話が長引くのを感じてか、それが自分達のところへ飛んでくる
のを察知したのか、もしくはその両方かもしれないがエリオは席を立ちそそくさと
その場を離れていった。
 キャロもその後を追おうとしたが、その前に二人に声を掛けた。
「あの、すみません。少しお願いがあるんですけど……」
「ん? なに、キャロ?」
「この前のあの夜のことなんですけど、今度わたしも攻める側になってみたいんですけど」
「キャ、キャロ!?」
「えへへ、何だか癖になっちゃったみたいです♪ それでは、また後で」
 そう言って離れていくキャロの顔は、それまでには全然想像出来ない悪戯好きの
少年のような笑顔が浮かんでいた。
「ねえ、ティア……あたし達、教えちゃいけないことを教えた気がするんだけど」
「スバル……あんた責任取りなさいよ。はあ、全くもう……」
 食堂に取り残された形になった二人に、少し重い空気が流れ始めたが、
スバルの一言がそれを吹き飛ばした。
「ま、なんとかなるでしょー。ほら、何てったって夢なんだからね」
「はあ、あんたのその気楽さが羨ましいわ、ほんとに」
 このとき、ティアはキャロに自分達と同じ趣味を持たせるべきか、それとも
真っ当な趣味に戻すべきかを決めかねていた。自分達と同じ趣味を持つ仲間が増える
のは純粋に嬉しいが、如何せんキャロはまだ幼すぎる。それに、自分達が原因で
こんな道に進んで欲しくはない。それに、キャロにはエリオという身近なパートナーもいるのだし。
「えへへー、じゃあわたし達も行こっか。遅れたらなのはさん達に怒られちゃうよ」
「はいはい。わかったわよ」
「よーし、じゃあ今日から新しい訓練らしいし、がんばるぞー」
「あれ? ティア、スバル? まだこんなところに居たの? 早く支度しないと間に合わないよ?」
「あ、なのはさん! え? もうこんな時間!? 早く行かないと!」
「それじゃあ、なのはさん、失礼します!」
「待ってよ、ティア〜」
 バタバタと駆け出しながらも、ティアナは今まで考えていたことを全て放り出した。
キャロのことは確かにもう後はなるようにしかならないだろう。それに、今はまず
自分のことだ。今日からまた練習が厳しくなるようだし、きっと終わったあとでは
そんな余裕が残っているとは思えない。
「だーめ、待ってなんかやんないわよー」
「むうー。いいよ、追いつくから!」
「二人とも、あんまり走っちゃ危ないよ」
「「はい! すみませーん!」」
 自分の今のパートナーは、今後ろを走ってきているスバルだ。それ以外の誰でもない。
きっとキャロもすぐに自分にあったパートナーを見つけることが出来るだろう。
「へへー、追い抜いちゃった。ティア、おっ先ー♪」
 それが、エリオなのか、それ以外の誰かなのかは分からないが、自分の様に
いいパートナーに巡り合って欲しい。
「前見て走んないと危ないわよ」
 それがきっと、みんなの幸せだと思うから―――
(って何かっこつけてんだか。恥ずかしいったら無いわ)
 自分で自分の回想に突っ込みを入れつつ、ティアナは追い抜かれたスバルの後を追いかける。
(きっと、今わたしの顔はにやけてるんだろうなぁ)
 でも、嫌な気分を感じてはいなかった。こんな毎日が続くんだったら、悪くない―――
それが、このときのティアナの素直な本音だった。



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